どうもどうも、最近改めてダウ理論って何?って思い始めてるピッピです(O´∀`)
ダウ理論のトレンドを形成した時の値動きの形でN字(波動)というチャートパターンがあるのをご存知でしょうか?
私も聞いたことはあったのですが、では実際に相場の中にどのくらいN字が発生しているの?と思ったので今回は自分で分析してみようと思った次第になります。
分析方法も人によって違ったりしますし、そもそも分析や過去検証はめんどくさい作業でもあるので私の分析結果を参考にしてもらえると幸いです。
それでは早速いきましょー(-´∀`-)
記事の目次
FX相場におけるN字(波動)とは相場の変動性を測定するための指標
通常、N波動は一定期間内での価格の振れ幅を表現し、相場市場の活発さや安定度を示すのに使われます。
トレーダーはこの指標を用いて市場の変動性を把握しつつトレードしていくことになります。
N波動を算出する計算方法はいくつかありますが、もっとも身近で分かりやすいN波動が『同値幅』です。
N波動の『同値幅』は次のチャート画像のように、1波目の後に調整波として2波目があり、再度3波目で1波目の高値・安値を更新して伸びていくという値動きです。
そして3波目の値幅が1波目と同値幅以上であった値動きをN波動と捉えます。
N字(波動)を分析する過去チャート情報
分析は次の過去チャートで行おうと思います。
メインの時間足は多くのトレーダーが見ているとされる1時間足で、期間は5年もあれば十分かと思います。
分析内容はもちろんN波動の出現確認になります。
過去分析情報 | |
分析期間 | 2015年1月1日~2020年11月23日 |
通過ペア | USDJPY(ドル円)相場 |
主軸時間足 | 1時間足 |
分析手法 | N波動の成立 |
N字(波動)成立条件
N波動成立と言っても、人によってこの辺の認識は曖昧だったりするので、今回私がN波動成立と判断する条件は次の項目にします。
- 3波が1波以上の値幅である(同値幅)。
- 2波の調整波はフィボナッチ・リトレースメントで1波から61.8以上押している。
1つ目の条件はいいとして、2つ目の条件は〝どこまで押したか(戻ったか)を調整波と見るか〟の条件になります。
押しの数値は違えど最低限この条件を決めておかないと、どこから3波と判断するかがあやふやになってしまいます。
過去データからN字(波動)になる値動きを徹底分析
まずは初回分析になるので分かりやすいデータだけ集めたいと思います。
何か思いがけないデータが見つかるといいのですがo(´ω`*)
ドル円相場でのN字(波動)出現回数
2015年1月~2020年11月までの6年間でざっと74回のN波動成立が確認できました。
これは1年で約12回になるのでひと月に1回のペースでN波動が成立していることが分かります。
私は主にデイトレードが好みなので、もしN波動手法がもっと下位足でも使えそうであれば5分、15分足くらいで使っていきたいと思っています。
N字(波動)成立時の押しの深さは?
次は押し(戻し)がフィボナッチ・リトレースメントのどの数値まで押しているのかを集計したいと思います。
フィボナッチ数値は100、78.6、61.8、50、38.2、23.6、0とありますが、N波動の成立条件が61.8以上になることと、0は全戻しになるのでこれもノーカウントにしたいと思います。
N波動の押しレベルをフィボから集計 | ||
78.6 | 0回 | 0% |
61.8 | 4回 | 5.4% |
50 | 22回 | 29.7% |
38.2 | 36回 | 48.6% |
23.6 | 12回 | 16.2% |
いかがでしょうか?
押し(戻し)の深さとフィボナッチの数値が逆に感じるので混乱しそうですが、数値が小さい方が押しが深いことになります。
普通に考えると〝押しが浅い方が勢いが衰えてないと思いそう〟ですが、これが相場の難しいところでもあります。
例えば上昇トレンドでいうと、上昇し続けてる間というのは下の価格からポジションを持ち続けているトレーダーと途中から参加してくる新規トレーダーの勢いで上昇を続けている状態になります。
ですが、ある程度上昇が続くと当然利確組が出てきますし、新規で参戦したい人に取っては少し高く感じるはずです。
そのため上昇の勢いは弱まり更に押しが深くなるという流れになります。
そしてしっかり利確組の利確が終わった辺りから、〝浅い押しのタイミングからエントリーを狙っていた集団〟と〝完全新規で参戦してくる集団〟、これに加えて〝先程利確した人らの再エントリー組の参戦〟により一気に上昇するのが3波が生まれる流れになります。
今回の『N波動の押しレベルの集計結果』もいい感じに上記流れが数値に表れているように見えます。
押しが浅すぎる78.6、61.8は少なく、50以上の深さまで押した後に3波が成立している回数の方が圧倒的に多いです。
特に38.2%までの押しは全体(74回)の中で36回と、全体の48.6%も占める割合になっており、50%押しも22回と全体の29.7%を占めています。
この両方だけで全体の78.3%を占めているわけなので、これはN波動手法のルールに盛り込める信ぴょう性だと思います。
N字(波動)はトレンド中?転換時?どのタイミングで発生しやすい?
次に集計しておきたいのが、N波動の出現タイミングです。
トレンド中に多いのかトレンドの転換時なのか、またはトレンド転換まではしないけど押しを作るタイミングに多いのかです。
N波動の出現タイミングを集計 | ||
トレンド転換時 | 30回 | 40.5% |
トレンド継続 | 35回 | 47.3% |
トレンド中の押し(戻し) | 9回 | 12.2% |
『トレンド転換時』については人によって判断基準が色々あると思うので、今回の『トレンド転換時』と判断したチャート例を載せておきたいと思います。
分かりやすく言うと〝ダウトレンドの目線が崩れたタイミング〟になります。
分析時ではトレンド転換時にN波動が多く発生している印象でしたが、ちゃんと集計してみると当然と言いますか『トレンド継続時』の方が多くN波動が発生していることが分かりました。
『トレンド中の押し』での発生数が少ないのも分かりますね。
調整波の終わりに抵抗帯があるかどうか
次は調整派の2波から3波への転換価格に何かしらの抵抗帯があるかどうかを集計したいと思います。
この辺の傾向を集計しないとN波動手法のエントリー条件がかなり弱いものになってしまうためです。
抵抗帯にも色々な形状がありますが、ここでは基本的なレジサポラインやトレンドラインなどをベースに抵抗帯判断としていきます。
調整波は抵抗帯で終わっているか集計 | ||
抵抗帯なし | 23回 | 全体の31.1% |
抵抗帯あり | 51回 | 全体の68.9% |
これはしっかり分析、集計したかいがありました(ゝω・)
まさかN波動が成立したチャートパターンの調整波の終わりは全体の約70%が抵抗帯で反発していました。
しかも今回は下記のようにレジサポ転換ではないですが、値動きから想定すれば抵抗帯になり得ると判断できる場合も『抵抗帯なし』にカウントしているため、同じような値動きの捉え方をしている人にとっては〝70%以上が抵抗帯で調整波が終わっている〟ことになります。
この集計結果も信ぴょう性が高いため〝N波動手法のトレード条件に加えたい〟と思います。
どういった値動きを調整波(2波)とみなすか決める
今の状態ではまだトレードルールとしてあまいため、もしこの状態で検証を始めるとほとんど場合でN波動手法に当てはまると思います。
そして結果的に〝勝率の悪い使えない手法〟ということになりそうなので、もう少し手法に落し込めそうな値動きの傾向を探す必要がありそうです。
そこで気になったのが〝調整波の値動き〟です。
押しの深さの部分でも説明しましたが、調整波はそこまでにポジションを持ってたトレーダーの利確決済、逆張りトレーダーの新規エントリー、トレンドフォローへの後乗り、利確トレーダーの再エントリーなど複数の思惑が入り乱れてる相場状況になるので、論理的には一方通行の相場にはならないはずです。
このことから、調整波の値動きが下位足レベルでのダウトレンドやレンジ相場を構築してるか、一方通行な値動きなのかを集計したいと思います。
N波動の調整波とみなす値動きの調査結果 | ||
一方通行な値動き | 20回 | 全体の27% |
何度か押しが確認できる値動き | 54回 | 全体の73% |
個人的にはいい感じの割合になったと思います。
これだけ傾向に差があるなら今後のN波動手法のトレード条件に加えてもいいかなと思いました。
一応それぞれに判断したチャート画像で見た方が分かりやすいと思うので『一方通行な値動き』とそうでないチャート例を載せておきます。
『一方通行な値動き』と判断したチャート例が次になりますが、人によっては1枚目の調整波を一方通行でないと判断するかも知れませんが、今回の私の判断ではこれは一方通行な値動きになります。
次に私が調整波の中でもしっかり押しを確認できる値動きと判断したチャート例も載せておきます。
相場からN字(N波動)値動きを徹底分析した結果まとめ
まずは集計データから導き出したN波動手法のトレードルールをまとめたいと思います。
- 主軸時間足で1波と判断できる値動きがある。
- 調整波はフィボの50%~38.2%の範囲内までの押しである。
- N波動が成立すると考えた場合、N波動の位置がトレンド転換時かトレンド継続の位置になる。
- 調整波の終わりに分かりやすい(レジサポ転換など)抵抗帯が確認できる。
最後に集計した『調整波中の値動き』についてはルールに含めようか悩みましたが、一旦含めないようにしました。
含めなかった理由とも関係するのですが、まず前提として今回の集計データはすべて〝N字(波動)が成立しているデータ〟であることに注意してください。
今回集計データの確率が低かったものを何パターンか条件から外してますが、当然これらも〝確率は低いですが前提条件としてはN波動は成立してる〟パターンだということです。
つまり今回の元データは100%N波動が成立しているデータから色々なパターンを集計しているため、いくら集計データでは確率が低くても、それはN波動が成立しているデータでもあるということです。
そこで大事になってくるのが〝過去検証〟になります。
分析と検証の違いは次の記事で詳しく説明しているので、気になる方は読んでみてください。
少し話が逸れましたが、ひとまずこれでN波動手法の検証ルールが整ったので、次回実際に私が行った過去検証データを元に、N波動手法の検証結果を紹介したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました(*´ω`*)