前回、世界で最も利用されていると言われるインディケーターの移動平均線を使ったトレード手法を分析しました。
期間は直近の約一ヶ月半くらいを分析し、最終的に次のトレードルールに絞ることで勝率56.7%くらいを見込めそうという結果になりました。
- 1時間足の移動平均線(SMA)を分析対象とする。
- 移動平均線の設定値は20とする。
- 20smaの上下±10pips以内をタッチと判断する。
- 反発方向へ+50pips以上価格が動いていることを反発したと判断する。
- 20smaが水平寄りではなく、上下どちらかの方向に向いている
分析の順番や経緯については別記事にまとめていますので、よかったら参考にしてみてください。
ただここまでは環境認識であったりトレード戦略が決まっただけで、実際トレードする際のエントリー判断やエントリーポイントがまだ決まっていません。
そこで、ここからは上記トレードルールが当てはまったときに、いざエントリーするためのエントリールール決めていきたいと思います。
記事の目次
移動平均線での反発時のエントリールールを決める
トレードルールは1時間足の移動平均線である20smaでの反発をベースにしていますが、エントリールールはもっと短い分足を分析することで見つけていきます。
実際のエントリーもここで分析した分足で行っていくことになります。
分足も1分足、5分足、15分足、30分足とありますが、ベースが1時間足になるので、今回は5分足くらいで見つけていきたいと思います。
エントリールールを見つけるための下準備
それでは1時間足の20smaで反発が確認できているポイントの何点かを分析していきたいと思いますが、その前に下準備をします。
5分足を見ますが、1時間足の20smaの価格も同時に知っておきたいので、5分足に1時間足の20smaも一緒に表示するように設定します。
1時間足の20移動平均線を5分足に表示するには次の計算で出せます。
1時間足を5分足に分解した本数が20本 | (60分 / 5分) * 20 = 240本 |
ただしインディケーターの移動平均線は、“表示している足の終値の設定値分の平均で計算される”ため、計算は先程の式で合っていますが、1時間足の20smaと5分足での240smaが全く同じかというと、そうではありません。
ではここから各反発ポイントの5分足を見ていきますが、チャートの各移動平均線は次のものになります。
赤色の移動平均線 | 1時間足の20smaを5分足に表示させたもの |
青色の移動平均線 | 5分足の20sma |
移動平均線で反発した2020年12月16日 19:00のエントリールールを分析
1時間足で反発が確認できた2020年12月16日 19:00辺りの5分足を見ます。
5分足で見てもキレイな上げトレンドではありますが、短いスパンで見ると高値を更新できず(左の高値ライン)、目線が下げに転換した後、赤丸の価格まで下げて来てます。
赤丸の安値が20sma(1時間足)にタッチした後、さらに20sma(1時間足)に沿って、再度上げ目線に転換した感じですね。
ひとまずこの5分足チャートからエントリールールを決めようと思います。
エントリーポイント1
優位性のあるポイントは青丸①になるかと思います。
赤丸部分で安値をつけた後、その安値を更新できず、安値切り上げ高値更新しているので上げトレンドっぽい値動きをしていますが、ダウ理論ではあくまで直近の安値(赤丸)の戻り高値を超えることで目線は切り替わるからです。
- 5分足で目線が下げから再度狙ってる方向の上げに変わったタイミング。
- 20sma(5分足)が上向きになっている。
- 損切りポイントは赤丸の安値で45~50pips。
エントリーポイント2
このポイントはダウ理論通りではないので優位性という点では多少劣りますがありかと思います。
エントリーポイント1のラインは直近安値の戻り高値になりますが、ここだけで40pipsもあるのでもう少し早めにエントリーしたいのが本音です。
そこで見つけたのが青丸②です。
赤丸安値から20sma(1時間足)に沿って2回安値切り上げ、5分足の20smaの向きも下げから上げになったくらいで20sma(5分足)を上抜けしてきたタイミングになります。
- 20sma(1時間足)が意識され2回安値を切り上げている。
- 20sma(5分足)が完全に上向きになっている。
- 20sma(5分足)を価格が超えてきた。
- 損切りポイントは赤丸の安値で20~30pips。
移動平均線で反発した2020年12月16日 6:00のエントリールールを分析
1時間足で反発が確認できた2020年12月16日 6:00辺りの5分足を見ます。
この時間帯は5分足で軽いレンジを作ったあと下抜けし、20sma(1時間足)が意識されて再度元のレンジの価格帯に戻り上抜けした感じですね。
エントリーポイント1
まずエントリーポイントとしては青丸①になるかと思います。
このチャートは結構勉強になる感じで面白いので説明すると、分析の場合はもう出来上がったチャートを見るのでついついこの場合などは青丸②辺りを狙えればと想定してしまうと思います。
これが分析の怖いところで、分析は後付けでいくらでもそれっぽい理由を付けられるので、ちゃんと今回のように実際に価格が動いているのを想像しながら明確なルールを決めることが大事だと思います。
でないとこのあと実際に動いてるチャートで過去検証する際に再現性のないものになってしまうからです。
私の場合だと実際に価格が動いている状態だと、恐らく青丸①でエントリーすると思うのでこのルールにしました。
- レンジ相場を下抜けしたが20sma(1時間足)で反発、その後レンジを上抜けしたタイミング。
- 損切りポイントは赤丸の安値にするので25~30pips。
元々1時間足の環境認識で買い目線で見ているので、下抜けでは様子見し、上抜けでエントリーということになります。
エントリーポイント2
青丸②はエントリーポイント1でも説明した通り後付けだからこそ分かるポイントになるので難しい所ではありますが、青丸①の上抜けは5pipsくらいになるので、逆に実際のトレードだとエントリーできないかも知れません。
その場合の青丸②になります。
ですが、こちらもちゃんとルールは必要になるので、今回のルールは次になります。
- 20sma(1時間足)でピンバーを付けて反発。
- その後にピンバーの高値を超えて陽線が確定したタイミング。
- 損切りポイントは赤丸の安値にするので17~25pips。
移動平均線で反発した2020年12月11日 6:00のエントリールールを分析
1時間足で反発が確認できた2020年12月11日 6:00辺りの5分足を見ます。
今回は1時間足の環境認識で下げを狙っている状況になります。
高値ラインから安値ラインまで下げたあと赤丸辺りで20sma(1時間足)が意識され下げますが安値を更新できず、再度上げてきますがやはり20sma(1時間足)が意識され赤丸高値を超えられず、一気に安値ラインを超えて下げトレンド継続が確定した感じです。
エントリーポイント1
この場合の優位性のあるエントリーポイントは青丸①になります。
上でも説明した通り青丸①を下回ったタイミングで下げトレンドが継続という見方ができるからです。
- 20sma(1時間足)が2回意識され高値を更新できなかった後、安値更新でトレンド継続のタイミング。
- 損切りポイントは赤丸の高値にするので35~40pips。
エントリーポイント2
こちらは欲張りモードの場合になるので、ダウ理論をちょっと無視した感じになります。
- 20sma(1時間足)が2回意識され高値を更新できず、それまで以上の勢いで直近安値を更新したタイミング。
- 損切りポイントは赤丸の高値にするので25~30pips。
移動平均線で反発した2020年11月30日 23:00のエントリールールを分析
1時間足で反発が確認できた2020年11月30日 23:00辺りの5分足を見ます。
この時のチャートの動きは少しいびつですが、結構な鋭角で高値をつけた(赤ライン)後下げてます。
その後若干レンジっぽい動き(青ライン)をして下抜けし、20sma(1時間足)で反発し、そのままレンジの高値、前回高値(赤ライン)を更新したことで上げトレンド継続という形になっています。
それではエントリーポイントを決めていきましょう。
エントリーポイント1
ここも王道の優位性を確保しつつだと前回高値を超えた青丸①地点になるかと思いますので、エントリールールは次になります。
- ダウ理論的に前回高値を超えてトレンド継続が確定したタイミング。
- 損切りは直近安値(赤丸)になるので60~65pips。
エントリーポイント2
ただ、エントリーポイント1の損切り幅を見てもらうと分かりますが、前回安値からちょっともったいないと思えるくらいpips数があります。
そこで欲張りモードのエントリーポイントとしては青丸②もありかなと思います。
前回高値(赤ライン)を付けた後の下げでつけた安値を20sma(1時間足)で反発した安値は更新できていません。
この反発の勢いでそのままレンジに再度突入し、20sma(5分足)で反発しています。
この流れで行くとレンジの高値ラインを超えたタイミングがエントリーポイント2でもいいとは思いますが、個人的には20sma(5分足)での反発からエントリーしたいと思います。
それではルールをまとめます。
- 20sma(1時間足)で反発を確認。
- 再度レンジに突入後、20sma(5分足)でも反発。
- 20sma(5分足)の向きが完全に上げ方向に向いている。
- 損切りは直近安値(赤丸)になるので30~35pips。
勝率56.7%の移動平均線での反発時のエントリールールまとめ
今回の記事では4箇所分の5分足の値動きを分析した内容を載せていますが、実際は別記事で20sma(1時間足)で反発を確認している2020/10/30まで分析していますので、その結果も含めて決めたルールを紹介します。
- 5分足で見たダウ理論をベースに優位性のあるタイミング。
- 5分足の20smaの向きがしっかり自分の狙っている方向に向いている。
- 5分足の20smaより価格が狙っている方向に抜けて確定している。
- 損切りポイントは5分足で見たダウ理論での直近の高値、安値。
上記ルールはエントリー判断と、タイミング、あとはエントリーした際の損切りについてになりますが、実際に過去検証やトレードする時の決済ポイントについては、都度エントリー価格から狙えそうな高値や安値にする予定なので、エントリールールに含めるような明確なものはありません。
ただし、そもそも今回の勝率56.7%まで絞った反発ルールの中に“反発後に反発方向へ+50pips以上価格が動いていること”が含まれているので、このルールを前提にリスクリワードが最低でも1:1.5にはなるようにしようとは思っています。
逆にいくら今回のエントリールールを満たしたとしても、リスクリワードが1:1.5を期待できそうにない値動きだった場合は、エントリーしないこともあるということになります。
以上が勝率56.7%の移動平均線での反発時のエントリールールのまとめになりますが、あくまでここまでは既に出来上がったチャートからの過去分析でしかありません!
次は、今回できたトレード手法を使って実際の過去データで検証することで、さらに重要な自分なりのトレード根拠を見つける必要があります。
その重要なトレード根拠とは下記になります。
- ここまでの分析で出ている勝率が本当に動いているトレードでも達成できるのか。
- もっと再現性のあるルールの追加や決済ポイントの決め方はないか。
- ちゃんと利益を出し続けられる現実的なリスクリワードについて。
これらを含め、実際どのような検証結果になったかも別記事にしたいと思っていますので、よかったらまた参考にでもしてください。