前回フラッグトレードについて分析し、実際に過去検証まで行い勝率55%まで安定させられました。
フラッグトレードはこれまでに過去検証してきたトレード手法と比べて勝率はそこまで高くありませんが、リスクリワードがかなりいい傾向にあるので利益もしっかり出せるのでおすすめです。
そこで、今回はさらに勝率を高めたり安定させられる値動きがないか2019年の丸一年分のチャートを見返して分析したいと思います。
最後には今回見つけたトレードルールをまとめてますので、参考にしてもらえると嬉しいです。
記事の目次
2019年1月25日辺りにできた上昇フラッグを分析
これは2019年1月25日~2019年2月19日までの値動きでできたフラッグの1時間足と4時間足の画像になります。
ここでフラッグ抜けを使ったトレードができていれば530pipsの利益になるので分析しようと思います。
ポイントは2点かなと思います。
プライスアクションのピンバー出現
青丸をつけたローソク足で、1時間足で結構長めの下ヒゲを付けたピンバーになっています。
ピンバーは、それまでの値動きの勢いが反転した時に現れるプライスアクションになります。
この場合だと、勢いよく下げてきていたにも関わらずこのローソク足中(1時間)に始まり値とほぼ同等まで上げ戻されたということが分かります。
ただピンバーが出ただけでトレンドの反転が確定する訳ではありませんが、1時間足でこれだけ長い下ヒゲピンバーが出現するとその後に意識されやすくはなります。
しかも今回はピンバー後のローソク足で大きな陽線をつけていることから、このタイミングで一気に買い勢が増えたことが想像できますし、この買い勢の損切りポイントは下ヒゲピンバーの下だとも判断できます。
また、このピンバーだけフラッグのチャネルラインを超えていることから、フラッグを下抜けし切れなかった、または下抜けさせてもらえなかったとも判断できます。
これら2つの材料から、ピンバーの安値が抵抗体になりそうだと判断できます。
結果、⑤の地点でチャネルラインの意識+ピンバーの安値がサポートラインとなり反発しています。
トレンドラインが意識された直後に抜けられている
先ほどの反発から上昇が始まり⑥の価格帯で再度トレンドライン(フラッグ中は下降トレンドのため)が意識されていることが分かります。
ここで大事なことが“意識されたことが分かる”ことです。
しっかりとフラッグのトレンドラインがここでも意識されたにも関わらず上昇の勢いが止まらなかったため、最終的にフラッグを上抜けたということなので、この上昇には勢いがあることが判断できます。
2019年6月4日辺りにできた下降フラッグを分析
ここではフラッグの後半で三尊を作ったあと勢いよくトレンドラインを下抜けしているので、チャートパターンからもフラッグを抜け切ることが想定できますが、青線がこれまでにサポートとして意識されていたことも分かるのでエントリーのタイミングは難しいと思います。
ただ1つ前の分析でもそうですが、両方とも4時間足の100SMA(赤色移動平均線)より大きなトレンド側でフラッグを抜けています。
この事から次の2つの根拠からフラッグを抜けたタイミングでエントリーしていいかと分析しました。
- フラッグ内にある三尊をトレンド転換と判断。
- 4時間足の100SMAよりトレンド側にいるので、100SMAも意識されることが後押しにもなる。
2019年6月18日辺りの下降フラッグを分析
このフラッグ分析で注目する点はフラッグ前の値動きになります。
もちろんこれは既に出来上がったチャートからの読み解きにはなりますが、トレード中もこのような思考で分析していれば実際のトレードでも活かすことができると思いますので、参考にしてみてください。
まずフラッグの前に赤線の価格帯がサポートラインからレジスタンスラインに転換しているのが分かるかと思います。
一度レジスタンスとして意識された(2つ目の赤丸)あと下げていますが、ここで陽線のピンバー(青丸)を形成しています。
先ほども書きましたが、ピンバーはトレンド転換を意識させるプライスアクションです。
しかも陽線のピンバーになるので買いの勢いがついてもおかしくないにも関わらず、レジスタンスで阻まれ一気に下降していることから、このレジスタンスの少し上に売り勢の損切りが多いことが分かります。
つまりは、このレジスタンス以上上昇させたくない人が多いということです。
後はチャートのままで、下降フラッグの高値がやはりレジスタンスを上抜けできずにトレンドライン(1時間足レベル)を一気に下抜けしたので、ここでのフラッグ抜けは“だましではない”可能性が高いと判断できます。
因みにここでもフラッグを抜けたタイミングは4時間足の100SMAのトレンド側になっています。
2019年7月18日辺りの下降フラッグを分析
このフラッグに関しては、青丸までにチャネルライン(上線)に4回も触れていることから、かなり意識されていることが想定できます。
そして5回目(青丸)でついに上抜けすることで、フラッグを形成せずトレンド転換するかと思いきや抜けきれていません。
しかも上抜けしている真ん中のローソク足は下ヒゲをつけた陽線になっています。
これは、上抜けしたあとに再度フラッグ内に戻そうとした力を跳ね返した値動きになるので相当買いの勢いが強いと判断できるのですが、にも関わらず結局フラッグ内に戻された上そのままトレンドライン(下線)まで下抜けしてきいることから、売りの勢いの方が強いことが分かります。
あと、トレンドラインを下抜けしたあと1本だけの上ヒゲにはなりますが、それまでのトレンドラインがレジスタンスとして意識されていることも確認できるので、これだけ根拠があればそのまま大きなトレンドが継続されると判断してもいいと思います。
因みに、青丸地点で上抜けできなかった理由としては、4時間足で見るとそれまでのサポートがレジスタンスラインに転換していることかなとも思えますが、ここにそれほど強い売り勢が控えてるようにも思えないので、根拠としては少し弱い気もします。
さらにトレンド継続の根拠として加えるなら、4時間足の目線は相変わらず下げ目線のままになっていることも後押しになると思います。
2019年9月20日辺りの上昇フラッグを分析
最後の勝ちフラッグの分析になるのですが、これはかなりダマサれたトレーダーは多いんじゃないでしょうか。
まずフラッグが意識され始めてから青丸までに1時間足のローソク足が275本と期間が長いため、これだけ長い期間フラッグ内で値動きされると多くのトレーダーがフラッグ抜けを意識していたと思います。
そこで青丸地点の上抜けです。
これこそ“だまし”と言ってもいいくらい見事です。
1時間足のローソク足でもしっかりトレンドライン(上線)を抜けていますし、その後それまでのトレンドラインがサポートラインに転換したかのように反発もしているので、ここで多くのトレーダーはダマされたんではないかなと思います。
因みに過去検証中に私はダマされました:(;゙゚’ω゚’):
ただこの“だまし”を回避する判断材料を見つけるのが中々難しいです。
方法は二通りあるかなと思います。
一つ目はフラッグを抜けたと判断するタイミングを遅らせる
例えばフラッグを抜けたあと、戻り高値や戻り安値まで超えてきたらエントリーするとかです。
今回のであればチャネルラインを抜けた青丸ではエントリーせず、④の戻り高値を超えてエントリーするとか。
あとは1時間足や4時間足のローソク足何本以上が確定してからとか、4時間足の100SMAよりトレンド側にローソク足が出たらとかですかね。
ただ、そうすると今度はリスクリワードが合わなくなるケースが増えてくるので個人的にはないかなと思っています。
二つ目は大きなトレンドに対するフラッグの押し目具合を考慮する
今回4時間足を見てもらうと分かりますが、“だまし”前の安値にはここで下げ止まる理由が見当たりません。
これは私の分析力のなさもありますが、これだけ長い期間下げてきている値動きが何のきっかけもなく下げ止まる方を私は疑った方がいいと思いました。
そう考えて見てみると、実際に下げ止まっている価格帯では青線がサポートラインとして意識されていることが判断できます。
このように、フラッグは大きなトレンドに対する押し目になるので、押し目と判断するルールを設ければ今後はこういった“だまし”的値動きも回避できるかなと思います。
因みに、この“だまし”も含めてチャネルラインを引くととてもきれいなフラッグトレードとなっていたようです。
FXチャートから勝てるフラッグを分析して見つけたトレード手法まとめ
過去にも2020年のチャートからフラッグを分析しトレード手法を固めてきましたが、今回は新たに2019年のFXチャートから“勝てるフラッグ”に絞って分析しました。
チャートパターンのフラッグ自体は決まった形ではありますが、やはりその時々でフラッグの期間や値幅などフラッグ内の値動きは違っています。
どのフラッグを見ても最終的にはトレーダーの心理を考慮した分析をしないと安定して勝てるトレードができないことが分かりました。
それではこれまでのフラッグトレード手法に加えて、より勝率を上げられそうなトレードルールをまとめて終わりたいと思います。
2020年でのチャート分析や、その分析結果から行った過去検証まで次の記事にまとめているので、よければ参考にしてください。
より勝率を上げられそうなトレードルールまとめ
- トレンドラインが意識された直後にトレンドラインを抜けた場合。
- フラッグ内で三尊などトレンド転換を意識させるチャートパターンが確認できた場合。
- 大きなトレンドに対するフラッグの押し目が、ピンバーやレジサポなどトレーダーの心理が考慮できる価格で反発した場合。
- フラッグを抜けた価格が4時間足の100SMAよりトレンド側ある場合。
最後に私が使っている検証ソフトのForexTesterは無料の「トライアル版」もあるので、お試しで操作してみたい方はトライアル版をダウンロードしてみるのがいいと思います。
ダウンロードした後の、インストールから基本的な使い方、月額料金を無料にする方法まで別記事にまとめていますので、よければ参考にしてみてください。
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