それでは前々回、前回と過去分析してまとめたトレンドラインブレイク手法を、実際の過去データを使って検証していきたいと思います。
過去検証により大体のトレード回数や勝率を出し、負けトレードでは復習分析し、より手法の勝率を上げられるようにしていくのが目的になります。
今回検証に使うトレンドライン手法の根拠やエントリールールなどは別記事にまとめていますので、そちらを先に読んでもらえると分かりやすいと思います。
過去検証する期間や設定
トレンドラインブレイク手法はどの時間足でも活用できる手法だと思いますが、これまでの分析してきた主軸足は4時間足になるので、今回も4時間足をベースに検証していきたいと思います。
4時間足になると1日、2日くらいではトレンドが形成されたりトレンド転換も起きづらいため、検証期間は3年と少し長めに考えています。
過去検証設定 | |
通貨ペア | GBPJPY |
過去検証期間 | 2015年6月1日~2018年12月31日 |
検証開始日 | 2016年1月1日~2018年12月31日 |
検証時にも多少過去データがないとトレンド判断や決済ポイントも決めづらいため、今回は検証期間から半年後から開始しようと思います。
2015年から2018年の過去検証結果を振り返り分析
検証結果の統計 | |
トレード回数 | 9回 |
勝ちトレード | 6回 |
負けトレード | 3回 |
勝率 | 67% |
利益 | 16132.47ドル |
損益 | 4179.86ドル |
純利益 | 11952.61ドル |
改めて過去検証は絶対必要だと思いました。
トレンドラインブレイク手法についてあれだけ分析し、トレードルールも10項目、エントリールールも決めていても、“いざ実際に動いているチャートだと中々理想通りのトレードができませんでした”。
一応検証結果として勝率67%と悪くないですが、また同じ期間のチャートでトレードしても再現できるかと言えば、おそらく出来ません。
それだけFXトレードは簡単なものではないということなので、焦らず今回の検証結果を再度分析していきたいと思います。
2016年3月13日の上昇トレンドラインブレイクで72pipsゲット
チャート画像は4時間足と1時間足のものになります。
4時間足チャートから見直し分析
4時間足で私が見ていた目線に赤線を引いています。
しっかり下降の1波の中にできた1時間足の上昇トレンドをブレイクしたことでエントリーできています。
ただこの時は1時間足でトレンドが2回継続したため、上昇トレンドラインを2本引きましたが両方のトレンドラインを1本のローソク足でブレイクしていることが分かるので、勢い的には問題ないと思います。
1時間足チャートから見直し分析
1時間足のチャートで確認してもブレイク時に勢いがあることが確認できます。
この時の気になる値動きとしては1波でブレイクしましたが、ギリギリ1時間足の目線を崩すところまで下げきれなかったことがあります。
ただブレイク前の上昇期間がローソク足56本に対して、ブレイク時の下落は45本と短いことからも下降の勢いが強いと判断しました。
エントリーについて振り返り
エントリーは3波というルールにしているので、ブレイク元のトレンドラインの役割が転換してると判断できるくらい戻したあとエントリーしたつもりでしたが、若干早かった事がわかります。
この辺のルールについては調整が必要そうです。
損切りについて振り返り
損切りポイントについては戻り高値をルールにしています。
ただ3波でブレイクした場合は戻り高値でリスクリワード的にも問題ないのですが、今回のように1波でブレイクした場合3波の判断がかなり難しかったです。
実際この時も3波の認識を若干ミスしているわけなので。
そこで改めて1波でブレイクした場合の損切りポイントの決め方として下記で決定しようと思います。
- 損切りはブレイクした1波の戻り高値・安値、またはそれまでに意識されていたことが確認できる価格
決済ポイントについて振り返り
この時は4時間足で見てもらうと分かりますが、1時間足の上昇トレンドの1波の高値までを狙って設定しました。
ですがトレード履歴(緑線)を見てもらうと分かりますが全然手前で決済していると思います。
理由としては1時間足のチャートで確認できます。
当初の決済価格に対して4pips手前まで下落してきたんですが、そこで2回反発(赤◯)したため、値動き的に損切りを変更し72pipsで決着した感じになります。
2016年3月13日の上昇トレンドラインブレイクまとめ
結果的に勝てたトレードではありますが、当初の損切り価格を変更せず、決済価格も上昇トレンドの起点の安値に設定していればリスクリワードも合った上で勝てたトレードだったなと反省です。
ただこれはやはり結果論でしかないので、ひとまずトレンドラインブレイク手法のルール通りで勝てたということが大事かなと思います。
2016年8月19日の上昇トレンドラインのだましブレイクで87pipsの損益
4時間足チャートから見直し分析
これはもっともやってはいけないミスをしてしまったトレードになりますが、逆に反省から見直すこともできるトレードでもあるので説明したいと思います。
4時間足の目線は赤線の通りの見方になりますが、この時点で戻り安値を更新できていないため下降トレンドを形成していません。
後から見るとなんでこんなところでエントリーしたのかと思いますが、実際に動いているチャートだとつい見過ごしたり認識しきれなかったりするものです。
これが“分析だけじゃなく検証までする必要性”でもあると思います。
次に1時間足で見てみましょう。
1時間足だとエントリー条件は揃ってる?
1時間足だけ見るとエントリー条件は十分なように見えます。
赤線が1時間足の目線の見方になりますが、下降の1波の中にできた上昇トレンドをブレイクしたかに見えますし、青線が小さな足の目線の味方になるのですがちゃんと3波でブレイクしているように見えます。
また今回の手法とは違いますが2つのダブルトップとも取れるチャートパターンからネックラインを超えてきたとも認識できます。
- 上昇トレンドを確定した上昇の期間と下落の1波との期間がともにローソク足9本になることから、下落の勢いが弱いことが確認できる。
- トレンド形成時の上昇が1時間で128pipsとかなり勢いが強いことが分かる。
- 3波でブレイクしているにも関わらず目線が変わっていない。
2016年8月19日の上昇トレンドラインのだましブレイクまとめ
だましはトレンドラインブレイクに限ったことではないので中々判断が難しいですが、今回のことから次のようなトレードルールにすることで少なからず同じ値動きでの失敗は防げるかと思います。
- 主軸として見ている時間足より大きな足ではトレンドが形成していること。
- 3波でブレイクした場合はトレンドの目線が崩れていること(1波なら問題ない)。
2018年5月1日の上昇トレンドラインブレイクで330pipsの利益
次はトレンドラインブレイク手法がきれいに当てはまったトレードを分析したいと思います。
日足チャートから見直し分析
日足チャートの値動きとしては、ちょうど決済ラインが上昇トレンドの戻り安値になり、そこを下抜けているため上昇トレンドが一旦崩れた状況になります。
この段階ではまだ再度上昇トレンドを継続するのか、このまま下降トレンドを形成するかは分かっていませんが、少なからず“日足レベルで目線が崩れた”という事実が大きいと判断しました。
さらに上昇期間が日足のローソク足47本に対して、下落は20本で下抜けしていることからも勢いがあると判断できます。
4時間足チャートから見直し分析
4時間足は日足で目線を崩した下落の1波の中にできた上昇トレンドが確認できます。
4時間足の目線をダウ理論で見ると戻り安値を下抜けるまでは目線が崩れたことにはなりませんが、1時間足レベルでは青線の見方になるので下降トレンドを形成したことが確認できます。
そしてトレードルールに則り、3波でブレイク、ブレイク時の勢いも十分、1時間足では下降トレンド形成とばっちりです。
損切りについて振り返り
損切り価格についてはトレードルールに則り、この時は3波でブレイクしたため戻り高値の少し上に設定しました。
決済ポイントについて振り返り
決済価格については日足チャートで見てもらうと分かりやすいです。
日足でもしっかり上昇トレンドの戻り安値を下抜けしてはいますが、とは言え一度サポートラインとして反発が確認できるため、その少し上に設定しました。
結果的には下抜けしましたが、それでもこのトレードの決済後4時間足レベルの押し目をつけるくらい抵抗も確認できます。
このことからもやはり正しかったかと思います。
2018年5月1日の上昇トレンドラインブレイクまとめ
この時のトレードは日足、4時間足と冷静に値動きを判断した上でルールに則りトレードできたと思います。
利益も330pipsと大きいですし一つひとつの判断も的確だったと思います。
トレンドラインブレイク手法を使った過去検証まとめ
今回も“過去検証は何回やっても得るものしかない”と思えた検証になりました。
今まで検証してきた手法の中でもトレンドラインブレイク手法の前提条件は多い方になりますが、これでも動いているチャートでトレードしようとすると再現性が薄れたり、悩ましい判断が必要になってしまうことが分かりました。
検証したトレード手法についても、より勝率を上げられるルールを見つけることができました。
今回の記事では過去検証したトレード履歴の中でもポイントになるトレードだけを選別して分析しましたが、元々の検証で勝率が67%になるので、今回追加した条件で再検証するともう少し勝率は上がると思います。
ただこれはチャートの値動きから分析するテクニカル分析すべてに当てはまることですが、“どれだけトレードルールを追求していっても決して100%外れない手法というものは見つかりません”。
一時的に検証や実際のトレードで100%の勝率が出ることはあるかもしれませんが、それが永遠に続くことはあり得ないのです。
だからこそ今回のように常に検証、分析を繰り返しながらその時その時の為替の値動きに対応していく必要があるのです。
それでは最後に今回検証したトレンドラインブレイク手法の前提条件からエントリールール、損切りまでを含めた手法をまとめて終わりたいと思います。
- ブレイクしたラインがトレンドラインである
- ブレイク時の足に勢いがある
- ブレイクしたことでこれまでのトレンド(目線)が崩れている
- ブレイク後にこれまでのトレンドラインの役割が転換している
- ブレイク後の押し目がフィボナッチ・リトレースメントの50%以上である
- 時間軸で見てもブレイクの方が勢いがある
- これまでのトレンドの最高値、最安値から1波でブレイクしている
- これまでのトレンドの最高値、最安値から3波でブレイクしている
- 大きな足と同じ方向のトレンドラインをブレイクしている
- 大きな足の1波の中にできた逆トレンドラインをブレイクしている
- 5分足でもしっかりトレンドラインが意識されていたことが分かる
- (追加分)損切りはブレイクした1波の戻り高値・安値、またはそれまでに意識されていたことが確認できる価格
- (追加分)主軸として見ている時間足より大きな足ではトレンドが形成していること
- (追加分)主軸の3波でブレイクした場合、トレンドの目線が崩れていること(1波なら問題ない)
今後もダブルトップや三尊など他のチャートパターンの過去分析から検証も行っていこうと思います。
トレード手法に100%はありませんが、今回のように明確なルールに過去検証から出した勝率、さらには複数の手法が重なったタイミングだけにトレードを絞ることで間違いなく優位性のあるトレードができると思います。
みなさんも自分で見つけた手法をしっかりルール化し、過去検証まで行って優位性のあるトレードで利益を出し続けていってください。
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