よくテクニカル分析を使ってトレードする場合に、「トレンドフォローが一番勝率がいい」とか「初心者はトレンドフォローを狙っていけ」とか聞きます。
ですが、そもそもトレンドの判断基準や目線の見方、押し目などを理解していないと思ったようなトレンドフォローはできません。
そこで今回はインディケーターなどは使わずに、チャートの値動きからだけで判断するトレンド、押し目について説明していきたいと思います。
値動きにはトレンドとレンジの二種類しかない
そもそも為替の世界は“買い”と“売り”の二択です。
そして値動きをグラフ化したチャートの見方もトレンドとレンジの二種類しかありません。
トレンド?目線?その違いは?
まずトレンドとは、“チャートが上昇している状態”であったり“チャートが下降している状態”を指します。
そしてこれは見ているチャートの時間足によっても変わってくるので、当然5分足で上昇していても1時間足では下降途中かも知れませんし、その逆もあります。
上昇中や下降中と判断するために移動平均線や一目均衡表などのインディケーターを使っている人も多くいます。
次に目線とは、現在“買い”と“売り”のどちらが優勢なのかを判断するための一つの基準みたいなものです。
例えば前回安値を下回らずに前回高値を更新すれば「買い目線」、前回高値を上回らずに前回安値を更新すれば「売り目線」と判断します。
そしてこの目線が更新され続けている状態が結果的にトレンドと判断できる状態になります。
つまり、“目線とは値動きから見る買いや売りの優勢度合い”であり、この“目線の継続具合がトレンド”だと言うことです。
レンジ相場とは
先程説明した買い目線が継続している状態を上昇トレンド、売り目線が継続している状態を下降トレンドと見ると説明しました。
ではレンジ相場がどうゆう状態を指すかというと、まず目線は“買い”からいきなり“売り”に転換するわけではなく、必ず間に“目線が崩れた状態”というものが存在します。
「買い目線」から「売り目線」へ転換する場合
買い目線(上昇トレンド) → 目線が崩れる(レンジ) → 売り目線(下降トレンド)
「売り目線」から「買い目線」へ転換する場合
売り目線(下降トレンド) → 目線が崩れる(レンジ) → 買い目線(上昇トレンド)
また、当然目線が崩れたからと言ってトレンドが転換するわけではありません。
「買い目線」が一旦崩れるが、再度「買い目線」を継続する場合
買い目線(上昇トレンド) → 目線が崩れる(レンジ) → 再び買い目線(上昇トレンド)
「売り目線」が一旦崩れるが、再度「売り目線」を継続する場合
売り目線(下降トレンド) → 目線が崩れる(レンジ) → 再び売り目線(下降トレンド)
このように“目線が崩れている期間をレンジ相場と見る”のです。
そしてこれらトレンドとレンジの二種類の相場も、各時間足ごとで状態は違ってきます。
例えば“5分足で下降トレンドを形成”していても、それは“1時間足の上昇トレンドの押し目だった”なんてことが各時間足ごとにあるわけです。
これがマルチタイムフレーム分析が大事と言われる理由でもあります。
見ている時間足にもよりますが、相場の7割はレンジ相場とも言われています。
そんなレンジ相場でのトレード手法について別の記事にもまとめているので、よければ参考にしてみてください。
トレンドフォローの基本となる押し目とは
押し目とは、“目線がトレンド継続している時にできる節目、一区切りみたいなところ”を指します。
押し目を分かりやすく図で表すとこんな感じです。
これは押し目だけに限らず他のチャートパターンもそうですが、“全て過去形”になります。
押し目の場合でいうと、“押し目っぽい値動き”をしたあとに“トレンドが継続して”初めて“押し目だった”となります。
もし“押し目っぽい値動き”のあと“トレンドが継続しなかった”場合、それは“押し目ではありません”。
また上記のルールが各時間足ごとの値動きに対して行われるため、一言で押し目と言ってもそれがどの時間足の話か分からないと、その後の値動きの想定ができないため注意が必要です。
このトレンド中にできる押し目をラインで繋いだ線をトレンドラインといい、トレンドラインを使ったトレード手法も有名です。
トレンドラインや、トレンドラインブレイク手法の詳しい分析や過去検証については別の記事にまとめていますので、よければ参考にしてみてください。
テクニカル分析で大事なのは値動き
よくテクニカル分析について書籍やネット上の記事などで目にするものにチャートパターンというものがあります。
ライントレードやインディケーターを使ったトレードなどで、大事な価格帯でトレンド転換を表すチャートパターンが出たらエントリーなどと説明されていますが、個人的にはどうなの?って思います。
“チャートパターンはあくまで値動きの結果をチャート上に表したもの”であって、それ以上でも以下でもありません。
例えば下降トレンド中にダブルボトムのチャートパターンになって、そのネックラインを超えたからって上昇トレンドに転換するかと言えばそうではありません。
過去にいくらでも転換しなかったことがあります。
トレンドフォローの押し目を狙う場合でもそうです。
上昇トレンドの押し目っぽい価格帯でダブルボトムや逆三尊になったからと言って、そこが押し目になるかは分かりません!
“テクニカル分析で本当に大事な分析の仕方は値動きを追うこと”です。
同じダブルボトムでも“どういった値動きの結果ダブルボトムを形成し、ネックラインを超えたか”を分析することで、それがトレンド転換を表すダブルボトムなのか、そうでないのかを見極める必要があります。
チャート分析をする場合にチャートパターンから分析に入るのはいいと思いますが、本当に大切なことはその見つけたチャートパターンがどういった値動き(ローソク足の一本一本の動き)の結果形成されたのかまで考えてトレードに活かすことだと思います。
チャートパターンではなく値動きを意識したトレードをしよう
今回はテクニカル分析の基本であるトレンド判断や目線、押し目について説明しましたが、これらはあくまで値動きの結果をチャート上に表しただけに過ぎません。
テクニカル分析においてチャートパターンだけに囚われることなく、値動きまで意識して分析をすることが長く継続してFXで利益を上げられる秘訣だと思います。
もし今までダウ理論やチャートパターンだけに意識が行ってた人は、その中での値動きまで今後は考えながら分析してみてください。
必ず今までより理想のトレードができるようになると思います。