FXトレードのテクニカル分析の中に移動平均線を使った手法は多くありますが、最もよく聞くワードとして「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」があると思います。
テクニカル分析の中でも移動平均線の使い方は人それぞれで正解はありません。
人によってはトレンドの傾向を見るために使う人もいれば他のインディケーターと組み合わせてトレード手法に使う人もいますし、今回のようにゴールデンクロス、デッドクロスだけでトレードする人もいると思います。
ですがこれだけ移動平均線と言えばゴールデンクロスやデッドクロスというワードが有名になった一番の理由は、やはり移動平均線がクロスする状況になったことを世の中の多くのトレーダーが意識するからだと思います。
そして多くのトレーダーが意識するということは、つまりそのタイミング辺りで価格に何かしらの動きが出る可能性も高いという事になります。
こういったこともあり、今回は移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスを使ったトレード手法はありかなしか、ありならどんなトレードルールにするべきかなど分析していきたいと思います。
SMAやEMAなど移動平均線の基本的な説明もありますので、よければ参考にしてみてください。
移動平均線とゴールデンクロス、デッドクロスとは
移動平均線とは、基本的に各時間足の中で設定した値分のローソク足の終値の平均値を線で結んだものになります。
例えば1時間足で移動平均線の設定値を20にした場合は、1時間足のローソク足20本の各終値の合計を20で割った価格をどんどん線で結んだものになる感じです。
そしてゴールデンクロスやデッドクロスとは、この移動平均線を短期と長期の2本出している状態で、“短期の移動平均線と長期の移動平均線がクロス”したことを指します。
短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けてクロスした場合をゴールデンクロス、逆に上から下にクロスして抜けた場合がデッドクロスになります。
ゴールデンクロスやデッドクロスはトレード手法に使えるか分析
まずは過去チャートから移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスが本当にトレード手法に使えそうかどうかを見ていきたいと思います。
2020年10月1日~2021年1月22日 20smaと100smaのクロス
分析するチャートの各ペアや設定値は下記になります。
通貨ペア | GBPJPY(ポンド円) |
過去データ期間 | 2020年10月1日~2021年1月22日 |
時間足 | 1時間足 |
短期移動平均線 | 設定値 20 |
長期移動平均線 | 設定値 100 |
1枚目の画像が10月1日〜11月25日まで、2枚目の画像が11月25日〜1月22日までの分となります。
移動平均線がどちらかにクロスした箇所に赤丸を付けていますが、約4ヶ月の間に17箇所あり、当たり前ですがクロスした後そのままトレンドが続いている時もあればそうでない時もあります。
まだエントリールールや決済ルールを決めてないので何ともですが、少なからず4ヶ月で17トレードしかチャンスがないのは個人的には少ないと思います。
また、100sma(移動平均線)になると1時間足くらいでは中々傾向に角度もつかずトレードルールも絞りづらいため、もう1パターンの設定値で見てみたいと思います。
2020年10月1日~2021年1月22日 20smaと60smaのクロス
分析するチャートの各ペアや設定値は下記になります。
通貨ペア | GBPJPY(ポンド円) |
過去データ期間 | 2020年10月1日~2021年1月22日 |
時間足 | 1時間足 |
短期移動平均線(EMA) | 設定値 20 |
長期移動平均線(SMA) | 設定値 60 |
先ほどと同じく1枚目の画像が10月1日〜11月25日まで、2枚目の画像が11月25日〜1月22日までの分となります。
先程100smaだと傾向に角度がつかな過ぎましたが、約3ヶ月平均と同じ意味になる60smaだといい感じになったと思います。
約4ヶ月の期間で32回のクロスが発生しています。
ここからさらにトレードルールを絞るためチャンスは減ると思いますが、それを考慮してもまずまずな設定値かなと思いますので、今回は短期を20ema、長期を60smaでトレードルールを作ってみようと思います。
移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスを使ったトレード手法まとめ
移動平均線のクロスを使ったトレード手法にも正解はありません。
決済ルールも短期、長期のどちらかの移動平均線にタッチしたら決済や、そもそも決済や損切りポイントを固定値で設定する人もいると思います。
また、この辺のエントリールールや決済ルールを決めるための分析ペアや期間によっても導き出せるルールは変わってくるかもしれません。
だからこそ今回のように分析からトレードルールやエントリールールを決め、このルールを元に過去データを使って実際に検証することで少しずつ手法を確立させ、実績まで作ることが長期に渡ってFXトレードで勝ち続ける秘訣になるのだと思います。
それでは最後に今回導き出したトレード手法をまとめて終わりたいと思います。
このトレード手法に合致した部分を赤枠で囲っていますので参考にしてみてください。
- 短期移動平均線の設定値は20、長期移動平均線の設定値は60とする。
- 短期移動平均線のみ「指数平滑移動平均線(EMA)」とする。
- 60smaが水平ではなく上下どちらかに傾いている。
- 60smaの傾きと20emaが同じ方向を向いている。
- 60smaと同じ方向に向かって20emaが抜けるタイミング。
- エントリーした方向と逆に20emaを超えて1時間足のローソク足が確定したら。
- 今回は損切り設定はなし
今回分析した短期の20maは「単純移動平均線(SMA)」と「指数平滑移動平均線(EMA)」の両方で行いましたが、この後行う過去検証では「指数平滑移動平均線(EMA)」にしようと思います。
そもそも移動平均線はローソク足が固まった時点で計算され決まるので、今回のようにクロスのタイミングをエントリールールや決済ルールにする場合はなるべくローソク足の価格に敏感な方が有利なため、短期だけEMAにしました。
SMAとEMAの違いについては別記事で分かりやすく説明していますので参考にしてみてください。
今回決めたトレード手法を使って実際に過去検証した結果は次の記事にまとめました。
ゴールデンクロスやデッドクロスではない移動平均線のトレード分析、過去検証結果なども別記事にまとめていますので、よければ参考にしてください。