少し前に移動平均線を使った手法で有名なゴールデンクロスとデッドクロスについて、本当に勝てるのか分析してみました。
その分析から見つけたトレード手法を使って今回は実際に過去検証をしてみたいと思います。
検証に使ったトレード手法の細かいルールや通貨ペアなどの設定、検証結果や負けトレードの振り返りまでまとめていますので、よければ参考にしてみてください。
今回過去検証するトレード手法と検証設定
トレード手法は移動平均線のクロストレード(ゴールデン、デッド)
前回過去分析から導き出したクロストレードのルールは下記になります。
これのルールを元に過去検証し、結果次第で再度エントリールールなどを絞り込んでいきたいと思います。
- 短期移動平均線の設定値は20、長期移動平均線の設定値は60とする。
- 短期移動平均線のみ「指数平滑移動平均線(EMA)」とする。
- 60smaが水平ではなく上下どちらかに傾いている。
- 60smaの傾きと20emaが同じ方向を向いている。
- 60smaと同じ方向に向かって20emaが抜けるタイミング。
- エントリーした方向と逆に20emaを超えて1時間足のローソク足が確定したら。
- 今回は損切り設定はなし
過去検証する通貨ペアやその他設定
通貨ペア | GBPJPY(ポンド円) |
過去データ期間 | 2019年1月1日~2019年6月30日 |
検証開始日 | 2019年2月1日~ |
短期移動平均線(EMA) | 設定値 20 |
長期移動平均線(SMA) | 設定値 60 |
移動平均線のクロストレード検証結果
トレード回数 | 14回 |
勝ちトレード | 7回 |
負けトレード | 7回 |
勝率 | 50% |
利益 | 9248.25ドル |
損益 | 1530.43ドル |
純利益 | 7717.82ドル |
いかがでしょうか?
勝率は50%ですが損益より利益の方がダントツ多いので純利益が出ました!
今回のトレード手法は始めから決済価格や損切り価格を設定しないので正式にはリスクリワード的扱いではないんですが、結果論でいうとリスクリワードは14:86なのでかなり優秀だと思います。
検証トレードを見直してみる
それでは検証結果の負けトレード、勝ちトレードを見直してみたいと思います。
この再分析によって、もっと勝率を上げられたり利益を伸ばせるようなトレードルールを見つけることができるかも知れません。
2019年2月8日の負けトレード
若干60smaの傾きがない感じはしますがちゃんとトレードルールには沿っています。
あえて危惧する点を探すなら赤線を引いた範囲でレンジ相場になっているところでしょうか。
ただこれは結果論で見ると分かりますが、エントリー前には一回レンジの底値を抜けてたりもするのでトレード中にこれを判断するのは難しい気がします。
一応“トレード回数がこれ以上減ってもいい”人や、“勝率をもっと高めたい”人は「レンジ相場と見て取れる値動きの場合はエントリーしない」というトレードルールを追加してもいいとは思います。
2019年3月18日の負けトレード
これはトレード履歴に赤線を引いている負けトレード時点の振り返りになります。
60smaが上げから下げに折り返そうとしているトレンド転換的タイミングで、移動平均線を使ったトレード手法にとって一番難しいタイミングでもあります。
難しいのであればエントリーしないという手もありますが、この次のトレード履歴を見ると分かりますが、当然この後上げるのか下げるのかは分からないのです。
これも結果論にはなりますが、トレンドラインを引いてみると今回のエントリータイミングはトレンドラインを下抜けしていないのでエントリーするべきではなかったと判断できます。
そして次のエントリーではトレンドラインを下抜けしたあと、今度はトレンドラインがレジスタンスの役割になり下げ始めたタイミングになるので勝てたように見えます。
他の負けトレードも振り返りましたが大体似たような分析結果となり、新たにレンジ相場の見定めやトレンドラインをルールに追加するかは難しいところになるので、この辺でまとめに入りたいと思います。
FXで勝てると言われるゴールデンクロス・デッドクロスでトレード検証してみて
今回は移動平均線を使ったトレード手法の中でも一番と言っていいほど有名なゴールデンクロスとデッドクロスを使って過去検証してみました。
検証結果では半年で14回しかトレード回数がないので若干少ない気もしますが、これだけ利益が出るのであれば手法として一つ持っておくにはいいと思いました。
ただし移動平均線を使ったトレード手法は基本的にトレンド転換やレンジ相場に弱い傾向にあります。
今回も負けトレードのほとんどがこのどちらかに当てはまっていました。
最後に今回検証してみたクロストレード手法について個人的に思うメリットとデメリットをまとめたいと思います。
クロストレード手法のメリット
- 検証結果からリスクリワード14:86くらいで利益が見込める。
- トレードルールがそこまで複雑でないので誰でも簡単に再現できる。
- うまくトレンドに乗っかれた場合は利益がかなり多い。
クロストレード手法のデメリット
- トレード回数が半年で14回程度と少し少ない感がある。
- エントリーや決済タイミングをトレード開始時に設定できないので、常にチャートを見ている必要があり、FXトレードに拘束される時間が増える。
- トレンド転換やレンジ相場に弱い。
デメリットにも挙げているトレンド転換やレンジ相場時に少しでも負けトレードを減らせるようライントレードも併用してトレード手法に含めるとより勝率も上げるかと思います。
今後はライントレードの分析、過去検証も公開していきたいと思っているので、よければまた見に来てくれると嬉しいです。
別記事でSMAとEMAの違いについても説明していますので参考にしてみてください。
また、ゴールデンクロスやデッドクロスではない移動平均線のトレード分析、過去検証結果なども別記事にまとめていますのでよければ参考にしてください。
最後に私が使っている検証ソフトのForexTesterは無料の「トライアル版」もあるので、お試しで操作してみたい方はトライアル版をダウンロードしてみるのがいいと思います。
ダウンロードした後の、インストールから基本的な使い方、月額料金を無料にする方法まで別記事にまとめていますので、よければ参考にしてみてください。