前回、分析結果では勝率56.7%だったトレード手法を使って実際に過去検証してみたところ散々な結果になってしまいました。
ですが過去検証した結果から負けトレードを再度分析しトレードルールも修正したので、今回精度の上がったトレード手法にて過去検証しましたので、そのまとめを公開したいと思います。
記事の目次
今回過去検証に使うトレード手法
- 1時間足の移動平均線(SMA)での反発。
- 移動平均線の設定値は20とする。
- 20smaの上下±10pips以内をタッチと判断する。
- 反発方向へ+50pips以上価格が動いていることを反発したと判断する。
- 20smaが水平寄りではなく、上下どちらかの方向に向いている。
- 狙っている方向に抵抗帯となりそうな価格帯(ライン)がないこと。
- エントリー判断、エントリーは5分足で行う。
- 5分足で見たダウ理論をベースに優位性のあるタイミングであること。
- 5分足の20smaの向きがしっかり自分の狙っている方向に向いていること。
- 5分足の20smaより価格が狙っている方向に抜けて確定していること。
- 損切りポイントは5分足で見たダウ理論での直近の高値、安値。
- リスクリワードは最低1:1.5以上とする。
勝率56.7%のトレード手法で過去検証した2回目の検証結果
検証する通貨ペアや期間は下記になります。
通貨ペア | GBPJPY(ポンド円) |
過去データ期間 | 2019年7月1日~2019年12月31日 |
検証開始期間 | 2019年8月1日~2019年12月31日 |
そして1回目の検証結果は次のようになりました。
トレード回数 | 18回 |
勝ちトレード | 11回 |
負けトレード | 7回 |
勝率 | 61% |
純利益 | 5716.75ドル |
負けトレードの見直しからさらなる勝率アップを狙う
現時点までのトレード手法で十分利益を伸ばしていけるらいになってますが、この中でもより明確なルールにできることや、ルールには当てはまっているけど気をつけた方がいい点などもあると思うので、改めて負けトレードを見直してみたいと思います。
2019年8月2日20時の負けトレード分析
これは一度目の負けトレードの1時間足になります。
20smaにタッチもしていますし、明確に下げ傾向にも向いているのでトレードルール通りではありますが、ちょっと分かりづらいので5分足で見てみたいと思います。
こちらが先程の負けトレードの5分足チャートになります。
1時間足の20sma(赤色の移動平均線)にタッチ(高値)したあと、戻り安値を下げ抜けています。
このタイミングでショートエントリーしそうになったんですが、そうすると損切りポイントが直近の高値になり85pipsくらいになってしまい、リスクリワードが厳しいトレードになってしまうのでエントリーを見送りました。
この時点でそのまま下げ続けるのであれば、それは今回のトレードルールに合わなかったということで見送りです。
ですがチャートの動きを見ていると再度上げてきて1時間足の20sma付近まで来たあと5分足の20sma(青色の移動平均線)を下に抜けてきたので、このまま下げて行く(青色の下げ線)と思い損切り直近高値(線1で25pips)に設定しエントリーしました。
結果負けトレードになってしまいましたが、敗因は分かりやすいので次回からは防げるかと思います。
敗因を分かりやすくしたチャート画像が次になります。
私は高値を付けてからの値動きに意識が行ってしまっていましたが、よく見ると5分足でレンジ相場(赤線2本)だったことが分かります。
レンジ相場で見ると私のエントリーした①は完全にレンジの底値になるので最悪のタイミングだったことが分かります。
本当ならこの場合はレンジの底値を下抜けしたことを確認してからエントリーするべきでした。
これらから分析すると②がベストなエントリーポイントだったことが分かります。
元々トレードルールに“狙っている方向に抵抗帯となりそうな価格帯(ライン)がないこと。“がありますが、エントリールールの方になかったため見過ごしてしまいました。
改めてエントリールールの方にも下記を追加しようと思います。
- 5分足の相場中にレンジなど抵抗体になりそうな価格帯がないこと
因みにチャート右側に見えていますが、次のトレードでいいタイミングでエントリーでき50pips勝てているので、この2トレードだけで見ても利益は出せています。
やはりリスクリワードが大切なことも分かりますね。
2019年8月6日20時の負けトレード分析
次は2019年8月6日20時辺りの負けトレードになります。
1時間足のチャートを見ると、下げてきたところでダブルボトムをつけ、ダブルボトムのネックラインを上抜けしたあと、再度下げてきたところでネックラインがサポートラインの役割に変わった事+20smaも意識されて反発みたいな理想系の値動きにはなっています。
それではこのトレード時の懸念すべきだった点を分析したいと思います。
まず分かりやすいのが4時間足です。
確かに先程の1時間足では理想系のような値動きではありましたが、もっと上の時間足である4時間足を見てみるとガッツリ下げトレンド中のちょっとした押し目に過ぎません。
特にトレードルールに4時間足、1時間足など“各時間足の移動平均線が全部同じ方向に向いている”というものもないですし、そのようなトレードルールを追加しなくてもいいとは思いますが、さすがにこのチャートを見るとリアルタイムであったとしても、このタイミングでロングエントリーは様子見するべきだと気づけると思います。
トレードルールに加えるほどではないですが、軽く4時間足の値動きも確認してみるのは有効そうですね。
次にエントリー判断、タイミングを見る5分足のチャートを見てみます。
①で1時間足の20smaにタッチしたあと、ライン①まで上げ、②まで下げてきたんですが、ここで①を下抜けせずライン①を上抜けしてきたのでエントリーしました。
これも軽いダブルボトムとも取れるチャートパターンのあとネックラインを超えてきてるので、それほど悪いエントリー判断ではないとは思いますが、またここでライン②とライン③のちょっとしたレンジ相場の底値ラインがあります。
先程から5分足でのレンジ相場やラインを意識していますが、とは言え5分足なので個人的には何でもかんでも気にする必要はないと思っています。
5分足レベルだといくらでもラインなんて引けてしまうので、全て気にしていたらトレードなんてできませんので。
なのでライン②はあくまで結果論として超えきれなかったというだけですが、個人的に意識すべきなのはライン③になります。
ローソク足のヒゲはプライスアクションの中でも特に意味を持つ
ライン③を作った一回目の高値はピンバーとまでは行かないですが5分足で見ると十分な上ヒゲで終わっています。
そしてライン③で反発した二回目の高値に注目です。
これは「包み線」とか呼び名はいくつかありますが、この2本のローソク足を合わせた10分足として見てみると完全なるピンバーになります。
ローソク足のヒゲとは、一度はその価格まで到達したが、結局その価格を維持、超えることを許されなかった結果を表していることになります。
つまりは一回目の高値も上ヒゲで終わり、二回目は完全なるピンバーを作るほどその価格帯を意識している人が多いということです。
因みにですが、先程のライン③のその後のチャートが次の画像になります。
その後もサポートとして意識されたり、再度レジスタンスラインとして何度も反発されていることが分かります。
過去検証でも勝率61%の移動平均線反発のトレード手法まとめ
今回はGBPJPY(ポンド円)の1時間足に出したインディケーター20smaでの反発を過去検証しました。
分析段階では勝率56.7%までのトレード手法に絞ることができていましたが、分析はあくまで出来上がったチャートからの結果でしかなく、実際に過去検証などリアルなトレードで検証してみると基本的には勝率は下がるものです。
今回のトレード手法も一度目の過去検証では散々な勝率を出してしまったので、そこからさらに精度を上げるべく、ルールを見直したり追加することで分析だけでなく検証トレードでも61%まで勝率を高めることができました。
ですが、これもあくまで今回過去検証した2019年1月1日〜2019年12月31日の検証結果でしかなく、他の通貨ペアや年月でやれば違う結果が出るかも知れません。
ただ、テクニカル分析とはすべてが過去の値動きからのパターンになり、人の心理のパターンです。
今回の移動平均線での反発もそうです。
多くの人がそれを意識したがゆえにできたチャートから見つけたトレード手法になるので、決して大きくハズレることはないと思います。
それでは今後も色々なトレード手法を実際に過去検証し、その結果を公開して行こうと思っていますので、よければまた見に来てくれるとうれしいです。
ここまでに移動平均線での反発について分析した記事もありますので、よければ参考にしてみてください。
私が使っている過去検証を少しでも効率的にできるFX検証ソフトはおすすめです。
最後に20sma反発トレード手法まとめ
- 1時間足の移動平均線(SMA)での反発。
- 移動平均線の設定値は20とする。
- 20smaの上下±10pips以内をタッチと判断する。
- 反発方向へ+50pips以上価格が動いていることを反発したと判断する。
- 20smaが水平寄りではなく、上下どちらかの方向に向いている。
- 狙っている方向に抵抗帯となりそうな価格帯(ライン)がないこと。
- 1時間足のトレンド転換時は、上位足(今回は4時間足)の押し目でないか意識する。
- エントリー判断、エントリーは5分足で行う。
- 5分足で見たダウ理論をベースに優位性のあるタイミングであること。
- 5分足の20smaの向きがしっかり自分の狙っている方向に向いていること。
- 5分足の20smaより価格が狙っている方向に抜けて確定していること。
- 損切りポイントは5分足で見たダウ理論での直近の高値、安値。
- リスクリワードは最低1:1.5以上とする。
- 5分足の相場中にレンジなど抵抗体になりそうな価格帯がないこと