押し目判断として優位性のある目線の崩れをマルチタイムフレーム分析で見つける

押し目判断として優位性のある目線の崩れをマルチタイムフレーム分析で見つける

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前回は2020年の過去チャートから4時間、日足レベルのトレンドフォローで押し目を狙っていくために、1時間足の目線の転換がどれだけ優位性があるかを分析してみました。

ですがまだ“1時間足で目線の転換と判断するだけの値動き”を分析してみただけで、実際にエントリーするには判断材料や優位性が足りなすぎます。

そこで今回は目線の転換があった場合に、その値動き(目線の転換)を4時間、日足トレンドの押し目と判断するためのルールを探していきたいと思います。

目線の転換と判断する詳しい条件などは前回記事で説明していますので、よければ先に読んでもらえるとこの先が理解しやすいと思います。

大きな時間足の押し目と判断できる値動きについて考察

大きな時間足の押し目を判断できる値動きについて考察

2021年6月19日

マルチタイムフレーム分析と値動きから環境認識する

見ている時間足で何かしらの値動きがあった場合に、その“値動きの意図”“その後の値動きを予測するため上位足のチャートを見ることをマルチタイムフレーム分析(MTF)といいます。

そしてMTFをすることで、“相場全体の環境を認識することができる”ので、より“優位性のあるトレード戦略が練られる”というわけです。

前回の記事で1時間足の目線の転換箇所は調べているので、それらの箇所の環境認識をしてしてみたいと思います。

この分析作業をすることで、“どういった環境認識の時に目線の転換があると押し目と判断できるのか”が見えてくると思います。

2020年1月3日にあった目線の転換時の値動きから環境認識

日足は下げ目線の中で上昇トレンドを形成中

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-1-日足-a

日足を見ると“目線は下”になります。

ただし下落が日足のローソク足128本分に対して、ローソク足100本の上昇でほぼ同じくらいの価格まで戻していることから上昇の勢いが強いと判断できます。

あと値動き的には、下落は押し目をつけずに一気に下降してきているため多くのトレーダーが参加していると判断でき、赤①でこの下落に参加していた人の利確買いが入ったと判断できます。

赤①では下落の利確買い+逆張り勢の買いが入ったことで赤②まで上昇したと判断できます。

そして赤②では、逆張り勢の利確売り+そもそもの下落の押し目を狙っていた人たちの新たな売りで再度下落したんだと思います。

ですが、買いの勢い+この下落のはじめ辺りから売っていた人の利確買いも相まって結果的に上昇を続けたと判断できます。

まとめると、日足の下目線はまだ崩れていないが、勢い的には上昇の方が強いと判断できる。

4時間足の目線は上だが買いの勢いは落ちている

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-1-4時間足-a

4時間足では高値安値の見方が少し分かれるかも知れませんが、押し安値を1、2のどちらでみても安値更新されていないため、“目線は上”になります。

ただ上昇トレンドの最後の1波の中で下降トレンドを形成している(青ライン)事実も認識しておく必要があります。

次に値動き的な見方として赤◯で囲んだ期間はレンジ相場と判断できます。

赤◯で囲んだレンジ相場は4時間足のローソク足206本になるのですが、これだけの期間続いたレンジ相場を抜けるということは、それだけ“多くのお金が動いた”=多くのトレーダーが“買いで参戦した”ということでもあります。

そしてこの多くのトレーダーが参戦したと判断できるポイントがどこかと言うと押し安値2となり、青ラインで引いた下落トレンドの安値はちょうど押し安値2を下回れず、結果的に下ヒゲピンバーを作ったと相場を読めます。

まとめると4時間足は上目線、下落トレンドを形成はしたが値動き的に見た重要な価格(押し目2)を下回れなかったことから、まだ買いの方に優位性はあると判断できます。

1時間足の目線は下げ

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-1-1時間足-a

1時間足を分析すると完全に下降トレンド(赤ライン)になります。

ほぼ押し目もなく下落してきたあと、この下落の1波の中でしっかり上昇トレンドを形成し、再度下落の1波で上昇トレンドの目線を崩し、そのままの勢いで下降トレンドを継続しています。

1時間足の分析をまとめると、圧倒的に下降トレンドになります。

2020年1月3日の1時間足の目線崩れの環境認識まとめ

環境認識まとめ
  • 日足 目線は下だが勢い的には上昇の方が強い。
  • 4時間足 目線は上。下降トレンドを形成してはいるが値動き的にもまだ買いの方に優位性があると判断できる。
  • 1時間足 圧倒的に下降トレンド中。

日足、4時間足の環境認識から買いの方に優位性があると判断できるため狙うとしたら上昇トレンド中の押し目ということになります。

1時間足のチャートで説明します。

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-1-まとめ-1時間足-a

もし今回が日足、4時間足の環境認識で売りの方が優位性があると判断できており1時間足で下降トレンドの押し目を狙っていたのであれば、今回の押し目判断の理想通りの値動きが赤①までの値動きになります。

ただし今回はマルチタイムフレーム分析で4時間、日足と買いに優位性があると判断しているため、赤①までの下落はスルーすることになります。

そして高値安値の判断基準が下位足レベルにはなりますが、青ラインで引いた目線の転換で上昇トレンドの押し目と判断し青①辺りでロングエントリーするのが理想のトレードになります。

赤①が先程4時間足で見たレンジ相場を抜ける起点となった価格を下回れずにできた下ヒゲピンバーになりますので、青①で安値更新できなかったと判断しエントリーという流れになります。

このように基本的にはすべてのトレード時にマルチタイムフレーム分析を行い“値動きをストーリー仕立てに想定し”、その中で優位性があると判断できたところでエントリーするようにしたいと思います。

2020年1月30日にあった目線の転換時の値動きから環境認識

日足は下げ目線の中で上昇トレンドを形成中

この時の値動きは先程説明したトレード箇所の約30日後くらいになるので日足はそれほど変わりなく“目線は下”のままで、その他の値動きの分析も同じになります。

4時間足の目線は上だが買いの勢いは落ちている

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-2-4時間足-a

4時間足も基本的には先程と同じ見方ですが、押し安値(1、2)からの上昇1波の中で青①の時点で下ヒゲピンバーではありましたが下降トレンドを形成していましたが、青①から見た戻り高値を青②で上抜けたことで下降トレンドも崩れた状態になっています。

ただ青①は下ヒゲピンバーで青②も実体より長いヒゲをつけた陰線になっていることから、買いと売りのどちらが優勢か判断しづらい状態になるため、チャートからも値動きからもレンジ相場だと判断していいと思います。

まとめると、目線は上だが上昇1波の中で下降トレンドが崩れた状態になっているのでレンジ相場と判断できます。

1時間足は下降トレンドの目線が崩れて理想的

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-2-1時間足

私は1時間足の高値安値を青ラインで引いたように判断するため、下げ目線が崩れて理想的なチャートパターンになっています。

2020年1月30日にあった目線の転換時の環境認識まとめ

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-2-まとめ-1時間足-a

先に結論を言うと、実際に動いている相場なら“トレードは見送る”になります。

理由はいくつかありますが、決定的な理由は単純に“エントリータイミングがない”です。

赤ラインがこれまでの下降トレンドになり、青ラインが目線崩れからのその後の高値安値の見方になるのですが、見て分かる通り目線を崩してからの押し目が正直浅すぎますし急すぎます。

そもそも目線を崩した1波の勢いが強いため戻しが浅いことはおかしくないのですが、逆に言うとこれだけ勢いよく上昇しているということは売りの圧力がほとんどないということです。

つまり、“売り買いの攻防がない”と判断できます。

値動きというものは基本的に売り買いの攻防があるから上下にジグザクしながら進んでいくものなので、今回のように攻防がないということは売り勢がタイミングを測っているとも判断できるわけです。

特に今回分析している目線崩れを押し目と判断する手法の場合、“目線が崩れたあとの値動きが大事”で、“目線が崩れたあとしっかり買いと売りの攻防が見て取れたあと”“目線を崩した方向に進みそうならエントリー”するのが大事だと思っています。

これがトレードを見送ると判断した決定的理由になります。

一応後付感はありますが、例えば黄色ラインで引いたようにダブルトップと認識した場合、今回目線を崩した上昇の高値がほぼダブルトップのネックラインになることから、ダブルトップのネックラインがサポレジ転換したため抑えられたとも判断できます。

もしくは、緑ラインで引いたように三尊と認識した場合、三尊のネックラインでも目線を崩した上昇の勢いが抑えられています。

環境認識まとめ

今回1時間足で下降トレンドの目線を崩す上昇の値動きはあったが、エントリーを待っている間にダブルトップのネックライン、三尊のネックラインのサポレジ転換により抑えられた結果、そのまま下落していったという感じです。

エントリー判断ルール

押し目になりそうな値動きをした後、下位足で売り買いの攻防を確認してからエントリーする。

2020年2月24日にあった目線の転換時の値動きから環境認識

この時は1時間足の上昇トレンドの目線が崩れた値動きになります。

それでは上位足の日足から順に分析していきます。

日足は相変わらずの下目線

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-3-日足-a

日足は早々目線やトレンドが転換するようなものではないので、相変わらず下目線のままとなりますが、まだ最後の下落の1波の中で上昇トレンドを継続中という状況です。

あと日足にトレンドラインも引いてみましたが、赤◯できれいな上ヒゲピンバーをつけていることから意識されていることも確認できます。

まとめると、目線は下だが上昇の勢いは十分、しかしトレンドラインもしっかり意識されていることが確認できるため、この辺から売り圧力も強くなってきそうと判断できる。

4時間足はギリギリ目線は上だがレンジ相場と判断した方がいい

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-3-4時間足-a

まず前提として4時間足も赤◯の戻り安値を下回らない限り目線は上のままとなります。

ただ赤◯からの上昇1波がすごいため、この上昇1波の値幅内で目線が色々動いている感じになるのですが、それでも一応上げ目線が確定した状況です。

目線は上目線が確定しましたが、値動き的にはこれだけ高値安値が固定されているので完全にレンジ相場と判断でき、4時間足レベルでのレンジ相場になるともう買いと売りのどちらの勢いが強いかは分かりません。

まとめると、買い目線は確定しているが相場状況はレンジとなるため、エントリーを考えるならレンジ相場の下限、上限を狙うべき。
ただし見送る手ことも全然あり!

1時間足はレンジの上限辺りで上昇トレンドの目線崩れ

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-3-1時間足-a

私は1時間足の高値安値を赤ラインのように見るためこの時の値動きを目線の転換と判断しましたが、赤◯からの上昇を1波と判断するのであれば目線はまだ崩れたことにはなりません。

値動き的な見方としては、1時間足の高値圏(赤の水平ライン)を上抜けたあとプライスアクションの含み線(青◯)が出たことで少しだけ若干下げますが、これが押し目となり更に上昇しています。

この時の含み線は上昇中の陽線を次のローソク足が陰線で包んでいることから、下落へ転換してもよかったプライスアクションにも関わらず上昇を続けているため、青の水平ラインを引いた価格から買いでエントリーしたトレーダーが結構いると判断できます。

その後青の水平ライン付近まで一旦下げては来ましたがそのまま更に高値を更新しているため、この時点までは買いの勢いが強いことが分かります。

そしてここからが今回の目線の転換です。

先程までの2点の意識されてた価格帯である1時間足の高値圏(赤の水平ライン)と青の水平ラインを下落の1波で下抜けたこと、これまでの上昇期間がローソク足69本に対して同じ価格帯までの下落は24本と短時間であることから、一気に下落の勢いの方が強いことが判断できます。

まとめると、目線は上昇トレンドが崩れた状態だが値動きから下落の勢いの方が強いように判断できる。

2020年2月24日の目線転換についてまとめ

マルチタイムフレーム分析で環境認識する-3-まとめ-1時間足-a

日足は下目線の下落の1波の値幅内で上昇トレンド形成中。

4時間足も目線は上目線ではあるが相場としてはレンジ相場の上限。

1時間足は上昇トレンドの目線が崩れた状態で値動き的にも売り圧力が強いと判断できる。

環境認識まとめ

4時間足のレンジ相場の上限で1時間足の上目線が崩れた上に値動き的にも売り圧力が強そうなことから、ショートエントリーを想定。

1時間足で目線を崩したあと下位足レベルの売り買いの攻防があり(青ラインの値動き)、サポレジ転換と判断できる青ラインの価格で反発が確認できたのでショートエントリーという流れになると思います。

目線の転換だけで押し目と判断してはいけない理由

ここまで2020年の始まりから3つの目線転換時の分析をしてきましたが、このまま残り全部の分析結果を記事にするとものすごい記事の長さになってしまうため、この辺で押し目判断のルールをまとめたいと思います。

優位性がないと判断できる目線転換の値動き

今回のマルチタイムフレーム分析、値動きから考察した結果、1時間足で目線の転換があっても“トレンドフォローの押し目と判断するべきでない”値動きが下記の3箇所になります。

これは2020年1月30日の目線の転換時の分析から見つけたエントリールールに合致していないものになります。

新たに追加したエントリールール

  • 目線が崩れたあとにしっかり売り買いの攻防が確認できること。

赤ラインが目線の転換と判断した値動きの見方で、赤◯がその後の売り買いの攻防部分を示しています。

なぜ目線転換後の攻防をエントリー判断条件に含めるほど重要視するかというと、単純に“エントリータイミングが測れない”ことと、“値動き的に考えて説明がつかない”からです。

まず、通常目線が崩れたことで多くの人の思考が「トレンド転換する?」、「上昇・下降の勢いが落ちた?」と、これまでの値動きの流れが変わるかも知れないと“警戒”を始めます。

ここで重要なのが、あくまで1時間足レベルの目線が崩れたくらいでは“警戒”されるくらいが大衆心理です。

そしてこの警戒されていることを値動きから判断できるのが、売り買いの攻防部分になります。

仮に目線が崩れたにも関わらず売り買いの攻防もなくそのまま進んでいくような相場は、当然逆もしかりで「行って来い」と言われるような100%戻しになることがよくあります。

このように目線が崩れたあとの値動きを見ることで、その後大衆が買いと売りのどちらに相場を進めたいのかが判断できるということです。

押し目判断に目線崩れが優位性あるか分析した結果まとめ

前回の記事で洗い出した2020年の目線崩れを今回はマルチタイムフレーム分析と細かい値動きの考察を踏まえることで、より上位足の押し目と判断できるまで条件をまとめることができました。

今後過去検証していくにあたっての押し目判断ルール
  1. 見ている時間足で、これまでの目線が1波で崩れている。
  2. ローソク足のヒゲではなく実体で見る。
  3. ちゃんと値動きが分かるローソク足を対象とする。
  4. 値動きの考察から優位性があると判断できる。
  5. 目線が崩れたあとにしっかり売り買いの攻防が確認できること。

※ 一応今回主軸とした時間足は1時間足で、上位足は4時間足と日足になります。

まずは1〜3に該当して初めてエントリーチャンスと認識し、4でそれを押し目と判断していいか確認します。

4で優位性のある押し目と判断できれば、5でエントリータイミングを図るという流れになります。

ここまで来れば、あとは過去データを使って検証していくのみとなるので、その過去検証結果も後日記事にしていこうと思います。

実際に動いているかこ優位性を担保できる条件が見つかるかも知れません。